B消化機能の不調 咀嚼によって細かく噛み砕かれた食べ物を嚥下運動によって食道から受け取り、一時的に溜めておき、その間に消化活動を行なうのが胃です。 胃腺からは、PH3程度の塩酸、ペプシンやリパーゼなどの酵素からなる胃液が分泌され、胃の蠕動が加わり、食べた物を吸収され易い流動状に分解します。分解された食べ物の一部は、胃、大腸からも吸収されますが、大部分は小腸から吸収され門脈に入り、身に付く栄養となります。 胃の機能障害には、「胃拡張」、「胃アートニー」、「胃下垂」、「胃酸過多症」、「無胃酸症」、「胃炎」、「胃潰瘍」、「胃窄孔」、「胃癌」等がありますが、「胃窄孔」を除き、総て、私が過去に体験した胃の病気で、激しい胃痛や背中の痛み、食欲不振、嘔吐、おくび、下痢などの症状が現れ、身に付く栄養が充分に吸収されない事から、栄養障害を併発し、体重の減退、倦怠感、脱力感、無気力などが現れ、毛組織や頭皮機能に障害が起こりフケの多発、頭皮の痒み、異常脱毛、薄毛になります。 元を正せば、暴飲、暴食、睡眠不足、過労、ストレス、過度な喫煙、飲酒等が引き起こす障害ですが、原点は不充分な咀嚼にあります。これらの要因を無視して、やたらに薬で抑えていても解決にならず、ましてや、胃がすっきりするからと、制酸剤やPH値の高いアルカリイオン水を飲むという行為は消化する為に強い酸を分泌するという本来の胃液の目的を無視したもので、このような行為を続けていると益々、胃液の酸が強くなり、胃壁が損傷してきます。私はこの繰り返しを長期間続けていた為に、とうとう胃癌になってしまったのです。 本来持っている自我の強さが他力本願を引き起こし、自己管理を無いがしらにした結果で、昔からある養生の心得、「胃薬より寝薬」「年齢の数だけよく噛んで食べる」「食に感謝して食する」「食べ物は空きっ腹を満たすものにあらず、生命の元と考えよ」、更に「親が死んでも食休み」という大切な事を忘れていたものと反省しています。
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