H腎虚症 適度な性行為は大脳新皮質の働きを抑え、精神安定剤的な役割を果たし、より良い夫婦関係を保つ上でも重要な事ですが、受け身となる女性の欲求不満による脱毛がある一方では、過剰供給による男性の脱毛もあり、これが漢方で言うところの腎虚症です。 日本人男性は1回の射精で約3ccの精液を放出し、その行為で消耗されるエネルギーは50〜75キロカロリーといますから、25mを全速力で走ったのと同じ位のエネルギー損失で、その程度では毛髪の生成にはあまり問題はないと思いますが、ここで考えなければならないのは、精液の中に含まれる栄養の損失です。 精液は精子を育む養液で栄養価が高く、約90%は水ですが、残りの10%に各種アミノ酸、ビタミン・B2、B12、C、コリン、蛋白質、果糖、乳酸、各種酵素類を含めると、約45種類の栄養素が含まれます。特にアミノ酸類の中で、イソロイシン、ロイシン、バリン、リジン、フェルアラニン、トリプトファン、メチオニン、スレオニンからなる必須アミノ酸の過剰放出による体内保有不足は、毛髪の生成を著しく阻害し、コリンの減少は副交感神経の働きを弱め、ビタミン・B2、Cの減少は交感神経を高ぶらせて、毛乳頭の毛細血管の血流を低下させ、頭皮を硬化させ、毛髪の生成に悪影響を与えます。 正常な体力を持っている人、それに見合った充分な栄養を摂取していれば問題はないのですが、体力の弱い人、年齢に逆比例するような性行為の回数等が原因となり、人によっては脱力感、無気力、うつといった腎虚症として現れ、これが又、脱毛を引き起こします。 従って、「禿に助平が多い」「禿はセックスが強い」という言葉が生まれたのでしょうが、「過ぎたるは及ばざる如し」、何事も適度な振る舞いが健康につながります。 しかし、現代の若者は、毛髪も薄く、体毛が薄く、セックスも弱いという人達が急増しています。化学物質とストレスが原因と言い切っているのは、私だけでしょうか。
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