B強迫観念が脱毛を悪化させる 強迫観念とは、ある事がきっかけで不安な感情を持ち、早く忘れよう、考えるを止めようとしても常に心にまとわりついて頭から離れない状態を言いますが、この症状が悪化すると、非常に不快な気分になり、自己嫌悪に陥ったり、不条理と分かっているのにもかかわらず、感情や行動が自分の意志に反して現れる「強迫観念神経症」になることがあります。 例えば、貴方が突然、異常脱毛になり、大量に毛髪が抜け始まったと仮定します。どうしようという不安感がエキサイトし、ツルツル頭の己の未来像を想定します。「でも、よく考えてみれば父親は禿てないし、自分は若い、しかもまだ充分に髪の毛は残っている、そんなに心配する事はない」と、自分に言い聞かせ、その場は冷静さを取り戻します。 しかし、意識の一部にはツルツル頭の未来像がインプットされていますから、一寸としたきっかけ、例えばテレビや雑誌で脱毛、禿、あるいは発毛剤や育毛剤の文字が目に入っただけでも、自分の未来像を連想し、恐怖感に襲われます。そして、その一方では「まだ心配するな」という意識が働き、心の中で葛藤が始まり、心臓がドキドキしたり、呼吸が苦しくなることもあり、非常に不安な気分になります。 そうなると、毛髪の悩み事ばかりではなく、次から次へと自分で不安材料を抱え込み、一寸の事で心臓がドキドキしたり、何も意識していないのに突然、恐怖感に襲われるという「不安神経症」になります。それがエキサイトしてくると、人に会うことが嫌になったり、怖くなったりする「対人恐怖症」あるいは幻覚、幻視、幻聴等の症状が起こり、強度のヒステリーや精神分裂病に発展します。 その上で、死の事を考え、死後の事まで考え、恐怖感に戦くようになると「うつ病」に発展します。いずれの発症もアドレナリン作用の連続ですから、内臓機能の低下、ホルモンの分泌異常によって毛髪の生成は正常に行われません。 毛髪くらいで何もそこまでも、と思われる方もあるかも知れませんが、気の弱い人やうつ病気質の人は陥り易いのです。
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