自然治癒力発毛理論/理学博士鶴巻成男 |
髪がどっとこむトップページ>自然治癒力発毛理論>第4章 四元一体養生の原理(心、技、体、気の養生法)>(1)体温維持と部分浴
〜第4章 四元一体養生の原理(心、技、体、気の養生法)〜 |
真の健康を取り戻し、発毛を促す (1)体温維持と部分浴
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(1)体温維持と部分浴 人間の気を充実させるのは腸で、恒常性維持機能を左右するのは、心と脳・神経、そして内臓です。毛髪の健康を保つにはこれらを常に活性化し、正常に機能させなければなりません。 「足は第二の心臓」「手は第三の心臓」とも言われ、頭皮と共に体液の末梢となる部分で、漢方では経穴の集合部となっていますが、部分浴はこれらの末梢部における血液の浸透圧を改善し、静脈還流を促し、恒常性維持機能を活性化して自己治癒力を強化します。
@温足浴法 塩又は塩を主成分とする入浴剤を入れた温湯に足を入れ、温めることにより末梢血管を拡張し、足の毛穴、汗口から毒素、老廃物を排泄し、下肢によどんだ血液を温めを内臓に戻すことにより自己治癒力を補助し、体内の生理機能及び、皮膚の生理機能を活性化し発毛を促すのが温足浴法です。 内臓の働きが活性化するとセロトニンが分泌され、ストレス等により引き起こされたアドレナリン作用が抑制され、副交感神経が支配するようになります。(食事の後眠くなるのは、この現象によるものです。) このような状態を「平穏心」「平常心」という言葉で表しますが。 温足浴法を発毛に導入することにより、ストレス、神経の酷使等に起因する脱毛症には著名な効果を得ており、他の脱毛症においても温足浴法を併用するのとしないのでは、極端な差が生じます。 温足浴を実施すると、末梢部が温められ、下肢に留まった「よどみ」が改善され、体温は平均0.5〜1℃上昇し、頭皮の温度も3〜5℃上昇し、又、病気や冷え、のぼせによって異常に高まった体温を平常に戻す事もできます。
A半身浴 従来の首まで、又は肩まで湯につかる全身浴は、効果が望めないばかりか、効果を得ようと長時間入浴するとのぼせてしまい、心臓にも負担がかかります。 下半身浴の実施法として、40℃以下(慣れれば39℃)のぬるま湯にへそ位までつかり、30分以上時間をかけ、リラックスするつもりで入浴することが基本ですが、できれば1時間ぐらい入浴するとはっきりとした効果が得られ、しかも「のぼせる」ということはありません。もし、のぼせるようであれば、お湯の温度が高いか、湯量が多い場合が多いので、必ず湯温、湯量を確認して下さい。
今、「シャワー」だけで入浴しまう若者達が増えています。 シャワーの習慣は、比較的「冷え」の少ない欧米人のすることであり、石けん、ボディソープ等で体表に付着する老廃物と一緒に、大切な皮脂を洗い落とし、丸裸にされた表皮は「朝シャン」をした頭皮と同じようなもので、保温効果は半滅します。 そこへ温湯をかけると一時的に温まった感じはしますが、体表だけのことで深部は温まらず、体表から発散する気化熱の為、逆に体温を下げる結果になります。 「カラスの行水」と言われる入浴法も、シャワーと同じ結果になるという事も認識していただきたいものです。
B手先の湯(手温浴) 常に使われている手先でも、末梢になると血液の「よどみ」が生じ、よどみが生じれば静脈の還流が悪化し、血流がスムーズに行われなくなり「冷え」を起こします。 その為にひび、あかぎれ、しもやけ、手荒れとなって現れます。 昔から「冷え性、ぜんそく手先の湯」と言われるように手先の血流を促し、よどみを改善すれば心臓から上部に位置する組織の働きをスムーズにすることができます。 特に、円形脱毛症、全頭脱毛症には顕著な効果が得られ、「温足浴法」と併用すれば更に高い効果が得られます。 実施法として食器洗い桶等、多少深めの容器を用意し、10cm程の深さに温湯を入れ、塩、又は塩入入浴剤を入れ、この中へ両手を入れ温めますが、更に同じような容器をもう一個用意し、その中へ冷水を同量入れておきます。この場合の湯の温度は45℃前後と少し熱めにしておき、「先に湯の中へ両手を入れ、5秒程経過したら、冷水へ同じように5秒程入れる」この行程の繰り返しを15〜20分間前後行います。 この方法は、手先の皮膚を鍛錬する目的で昔から行われていますが、この「温」「冷」交互の刺激が末梢血管の拡張→収縮を繰り返し、制御振動を起こさせ、循環器系を刺激し血流の活性を促します。
Cスチーミング(頭皮温蒸浴) スチーミングは、温度の低下した頭皮に温蒸気を当て、温める部分浴のひとつで、理美容業界では多方面に応用され、次のような効果があります。 @低下している頭皮温度を上昇させ、頭皮の血流を活性化し、動脈の栄養と酸素と水の運搬効率を上げる。静脈還流を促して、頭皮組織に残留する老廃物、毒素の排泄を促し、動静脈吻合を解除し、腺組織の生理機能を高める。 A体温調節機能の働きで発汗作用を促し、毛穴を開口させ、マッサージの際の固脂、老廃物を揉み出し易くする。 B頭骨の温度を正常域まで上昇させ、頭皮温度の低下を防止する。 C蒸気を与えることにより毛表皮、毛皮質の組織結合を緩和させ、イオン結合、水素結合、ファンデルワールス力の結合力による発毛促進剤、育毛補助シャンプー等の養分の吸着力を高める。 D毛表皮を一時的に開かせ、毛皮質へ水分を補給し、毛髪の保湿を補助する。
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