A咀嚼不足 咀嚼とは食べた物を歯によって、細かく噛み砕き、消化吸収を高めることが目的ですが、意外と充分な咀嚼をしないまま嚥下(飲み下すこと)してしまう人が多過ぎます。胃は消化活動が目的で、食べ物を細かく噛み砕くということは出来ないのです。 消化を助ける分泌液のひとつとして唾液があります。 唾液は耳下腺、舌下腺、顎下腺からの消化液と口中粘膜から分泌された粘液が混合されたもので、消化酵素プチアリンを含み、食べ物の中にあるデンプンを糖質に変える働きがあります。 唾液の分泌は、自律神経との関わりが深く、脱毛や薄毛で悩んだり、クヨクヨしていると、それ自体がストレスとなり、唾液の分泌が減少し、食欲が減退したり、味覚も低下することから、食べ物がおいしくないという現象も現れます。 充分に咀嚼すると唾液と食べ物が混合され、消化力が高まることから、胃腸の負担が軽減され、腸内においては悪玉菌の発生が抑制され、ビヒズス菌などの腸内善玉菌の働きが活性化し、吸収作用も向上します。 咀嚼運動は、視床下部の生きる本能から起こるもので、これらは消化器を刺激し、胃の蠕動を促し、セロトニンの分泌を促し、セロトニンは交感神経を抑制し、副交感神経の働きを活発にします。 消化器系の臓器は、副交感神経の支配によって活性化する摂理があることから、食欲の増進、消化吸収が更に高まります。 セロトニンは交感神経の興奮によって引き起こされる、アドレナリン作用も抑制することから、毛細血管の収縮、頭皮筋組織の緊張が解かれ、毛髪の生成が正常に行なわれるようになります。 咀嚼を充分に行うことは、食べ物を味わうということにも連なり「美味しい」という味覚が五感に伝わり、快感神経を刺激する。快感神経はドーパミンの分泌を促し、身体の生理機能を活発にし、βエンドルフィンの分泌も促します。βエンドルフィンは、痛みや苦しみを抑えるほか、免疫力を高め、老化を防止する作用があります。従って、一代退化現象である脱毛症や禿の予防には、極めて有効です。
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